納車は車検代金と引き換えだったはずなのだが.....

ユーザー車検が多くなった今日でも、車検代行業者や自動車整備工場、自動車販売店に継続車検を依頼するユーザも多くいます。車検は整備費や車検代行代を含めた車検整備料金と自賠責や重量税、検査登録印紙代などの諸費用を合わせた料金が車検の総額になります。

通常は個人が車検を業者へ依頼する際には税金、保険などの諸費用を預け、継続車検が終了後に整備費や車検代行代を支払い車を引き取る、代金引換のケースが多く、常連客の場合には後払いもあるようですが、いわいるつけ払いでは業界を問わず焦げ付きの問題があるようです。

ある自動車販売店で起きた出来事です。継続車検の依頼をする電話があり、固定客ではなく新規客だったため、料金の説明をして車検を受注しました。

その後、車検日の前日にその客が車検のを持ち込み、通常どおり諸費用を預かり、車検が終わったらその当日に車を引き取りに来るということでその客は帰りました。車検日当日に車検は問題なく終わったので、引き取りに来くることが出来ると伝えましたが、営業時間まで待っても取りには来ませんでした。

この客は営業マン風のような容姿で、話し方からは良からぬ販売方法を仕事としているように見かけられましたが(いわゆる詐欺師ふう)、代金を支払ってもらえれば断る理由はないので通常どおりに車検を受注しました。

当日に車検を終わっていることを伝え、引き取りに来るとの確認もしているにも関わらず、引き取りに来ない、また、その連絡も無いことを不審に思っていましたが、何かの都合で取りにこれないことはよくある事なのでその日は車を預かったままにして閉店しました。

すると、その日の夜の遅い時間にその客から店舗の責任者の自宅に電話が入り、その責任者が留守であったため、その妻が対応し、そして夫である店舗の責任者に携帯電話でその旨がすぐに伝えられました。

その内容は車を取りに来たが店が閉まっていて、自分の車のエンジンがかからず持って帰ることが出来ないため、近くの交番に行って店の責任者の自宅の電話番号を教えてもらい電話をかけたとのことでした。個人情報の扱いが今のように厳しくなる以前であっても、警察が簡単に他人の自宅の電話番号を教えることはないので、詐欺師の話術を使い店舗の責任者の自宅の電話番号を聞き出したようです。たぶん、約束の時間に引き取りに来たが店が閉まっていたとでも言ったようです。それにしても夜の遅い時間でしたが....

その後店舗に行ってみると、その客が車のわきに立ちエンジンがかからないと言っていました。エンジンがかからないという前に代金を払わずに持って帰ろうとするその行為は大いに問題なのですが、そのことには一切触れずにエンジンがかからないと言っているのは詐欺師そのもののようでした。

とりあえず、事務所に入ってもらい、事務机の引き出しを開けここにあなたの車のスパークプラグのコードがあるのでエンジンはかからないことを伝えました。この詐欺師本人は料金を踏み倒そうとしていたことはばれていたとその時に気が付いたはずですが、そこは詐欺師なので一切動じることはなく、料金の踏み倒しに失敗しただけと簡単に考えていたようです。

この店舗の責任者はこの顧客が詐欺師ふうであることと引き取り当日の電話の内容が曖昧であったことから、閉店後に車検代金を支払ずに持ち出し料金を踏み倒しのでははないかと直感していたようです。

通常こういう場合にはどこのくるま屋でも、車を出せないように該当車の前に別の車を置いて持ち出せないようにすることが一般的なのですが、このケースではそうはせずに、わざわざその車を簡単に出せる場所に置き、スパークプラグのコード外していました。

簡単に言えばその詐欺師ふうの客にその店舗の責任者が罠を仕掛けて、店を閉めたら、その罠に詐欺師がかかったということになります。

この詐欺師には料金を支払ってもらって無事に納車を済ませたのですが、車検料金の搾取に失敗たうえに、そのお店の罠にかかってしましまったことが悔しかったかどうかはわかりませんが、納車後数日して車検のクレームが入りました。ブレーキパッドから消耗を示す警告音が出ているだけなので電話の対応だけで終わりました。料金を搾取しようと思ったことがばれたのに平気で再度電話をできるのは詐欺師ならではのことのように思えます。

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