木炭自動車

戦前の昭和初期にはガソリン不足から木炭を燃料とする木炭車が開発され戦後まもなくのころまで利用されていた。

昭和初期 車体後部にガス発生炉を積んだ木炭車

後部に可燃性ガス発生炉を付けた木炭自動車

戦前日本の中国をはじめとするアジアへの海外侵略により欧米との緊張状態が増していく昭和初期からガソリン価格が急騰しはじめ、その後アメリカからの経済封鎖により原油の輸入が困難になる中で木炭車が開発されました。

木炭車の原理は木炭を不完全燃焼させ、一酸化炭素を発生させた後、それに空気と水蒸気を混合させると水の酸素原子と一酸化炭素が反応して水素を含む可燃性ガスが発生する。そのガスに含まれる媒を取り除いたガスをガソリンエンジンで燃焼させる。そのため、ガソリンエンジンがそのままで利用出来た。

木炭自動車2

木炭ガス発生炉

木炭の他に石炭、薪なども燃料として使われた。

木炭車のエンジン始動方法は木炭に紙などで点火してガスを発生させたのちにスターターモーターでエンジンを始動させる。木炭に点火してからガスが発生するまでの時間は10分くらいであった。また、スターターモーターではエンジンが始動しない場合も多く、その場合は他の車でけん引をしてエンジンを始動させることも多くあった。

可燃性ガスを発生させるガス発生炉には種類があり、それぞれに特徴があった。可燃性ガスの水素濃度が低い(水素濃度10%)ものではエンジンの出力が低く、坂道でのエンジンが止まってしまうことがあり、その後可燃ガスの水素濃度が高い(同20%)ものが開発された。

戦後に作られた木炭自動車は戦後まもなくの燃料不足のころまで使われ、1950年(昭和25年)にそれまで統制されていたガソリンが自由に出回るようになってからはしだいに使われなくなった。

木炭自動車” に対して2件のコメントがあります。

  1. 下條 英敏 より:

    木炭自動車(バス)の写真をダウンロードして私が今製作中の冊子に掲載したいのですが、どのようにしたら使用許可をいただけますか?また資料料金はおいくらでしょうか?

    1. auction より:

      コメントありがとうございます。ご指摘の写真はご自由にお使い頂ければと思います。

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