キュニョーの砲車

キュニョーの砲車は最初の自動車とされていますが、今で言う自動車ではなく大砲を運ぶ蒸気エンジンを動力とする砲車として1769年に一号車が完成した。

 

当時は現在のような内燃機関のガソリンエンジンはないため、交通輸送では海上輸送では風を利用した帆船、陸上では馬や人力を利用しての輸送方法しかなく、重量のある大砲を運ぶための郡司目的として砲車が作られた。

 

構造は簡単で台車に蒸気エンジンを乗せて2シリンダーから生み出される動力を直接車輪に伝えるものだった。

排気量は5万ccの2気筒を車体前方に乗せて前輪を直接駆動しているので、現在、乗用車では中型車以下では主流のFF方式になるが、この車体の構造で走行するのは大きな問題があり、実際の試験走行で事故を起こしてしまった。

 

この車体は馬に引かせる砲車に蒸気エンジンを載せたような構造で、前方の一輪に大きなボイラーの加重がかかるため、それを人間の力だけでハンドルを回してかじを切るのはほとんど不可能のようだったようです。

今では誰でもこの構造ではハンドルを切ることは不可能に見えますが、当時は馬車が主流なため、馬車の進む方向は馬の進む方向であり、馬は動力とかじ取りの役割を兼ねていた。そのためキュニョーの砲車もその常識に反することなく前方の動力を搭載し前輪のかじを切るという方式なったようです。

前方にエンジンを搭載して前輪を駆動するFF方式が発売された当初はキュニョーの砲車のようにハンドルが重くなるため、軽自動車で採用されていましたが、パワーステアリングが標準装備になるようになってからは排気量の大きな3000ccクラスの乗用車でもFF方式が採用されるようになりました。

この砲車のボイラーは走りながら蒸気を逃がす蒸気弁がなく(手動で蒸気を逃がす弁は付いていた)、槇をくべるのもできなかったようで、実用的な走行はできませんでした。

車輪は木に鉄のベルトを巻き付けて鋲で取り付けられていて、今風に言えば木のホイールと鉄のタイヤといった感じになります。いずれにしても試験走行というよりは、動いただけといった状況のようだったようです。

キュニョーの砲車の性能

時速:3.9km  航続時間:15分 牽引能力:5トン

その他

史上初の自動車 史上初の自動車事故を起こした自動車

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