自動車ブレーキの変せん

初期の蒸気自動車には馬車で使われていたブレーキと同じような車輪を直接木片で押さえつけるシューブレーキが使われていた。

バンドブレーキ

1900年代になってから車輪が針金スポークと鋼板リムにゴムタイヤを組み合わせた形になってから、駆動軸をバンドで締め付けるバンドブレーキが使用されるようになった。

1905年頃から採用された差動歯車とともに各車輪にドラムブレーキが付くようになった。*差動歯車は旋回時の外側車輪と内側車輪の回転差を吸収するデファレンシャルギア。

ブレーキの操作方法は手動式からべダルを踏む足踏み方式になった。当初、前輪にはハンドル操作の邪魔になるということで1915年ころまではブレーキはついてなく、その代わりにトランスミッションの後ろにセンターブレーキが付いていた。

1908年にドラムの内側にブレーキシューを押し付ける現在のドラムブレーキシステムが採用されるようになった。同時にこのころにはディスクブレーキも出てきている。

ブレーキペダルの力を均一に各ブレーキに伝えるために油圧でその力を伝える油圧制動方式が、航空機メーカーのロッキード社で開発された。それは1925年にクライスラーの自動車へ最初に取り付けられ、その後普及していった。

自動車の性能が向上し高速化、大型化していくブレーキ制動力は重要になり、1930年代にはバキュームサーボ(真空倍力装置)が用いられ、戦後はコンプレッサーを載んで圧縮空気を利用するエアーブレーキやエンジンブレーキを補助する排気ブレーキなどが大型車両の制動力を強めるために使われるようになった。

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