自動車履歴情報提供サービス
海外では自動車関連情報いわゆるビッグデータを利用した様々なサービスが展開されていて、アメリカでは、自動車履歴情報提供サービスがあります。
この自動車履歴情報提供サービスは中古車の購入希望者などに対して、有料で車輌の固有の情報をインターネットを通して提供している。
その情報内容は、過去の所有者数、事故歴、整備履歴などがあり、日本では知ることが出来ない個別の車両履歴が第三者により提供されるため、状態の良い自動車を保有している所有者は高く売却することが出来、購入者は見た目や販売店からの説明では解らない車両状態や履歴を知ることが出来、双方にとってメリットが大きい情報提供サービスとなり、中古車市場の活性化につながっています。
日本では中古車の流通はオートオークションを中心に発展してきましたが、中古車を供給する側が中心になって中古車流通が確立されてきたため、消費者保護対策が後手になり、古くからある走行距離や事故歴の虚偽表示が後を絶たない状況が続いています。そのため、中古車業界以外の第三者機関が個別の自動車の履歴を管理し消費者へ提供するサービスがあれば、虚偽表示などの不正行為をすることは難しくなると考えられます。
中古車を購入しようとしているユーザーが望むのは中古車の正確な車輌状態と履歴であり、新車からの現在までの正確な積算距離、事故により修理された箇所、整備履歴などが正確に第三者機関から一括して提供されるのであれば、事故車の定義をする必要はなく、あいまいな事故車表示などの優良誤認表示なども少なり、走行距離の巻き戻しなどの不正も少なくなると思われます。
事故車の定義は未だに統一されてはなく、個別の車両の構造の違いから定義することは難しいため、消費者にとってわかりやすい履歴としては、交換部位、または鈑金によって修理された部位の履歴の方が事故車の定義より解りやすいように思えます。そのため、履歴としては、フレーム交換や修正、トランクフロア交換、ルーフ(屋根)交換、修理などの方がフロント周り修復歴より、はるかに理解し易いように思います。
こういう情報を利用すれば、中古車の買取下取りは中古車査定から単に自動車履歴情報提供を利用した買取価格交渉になるように思います。
全ての車両の全ての履歴情報を登録することは不可能ではありますが、第三者機関による自動車履歴情報提供サービスがあれば中古車業界の透明性が増して行くことは確実に思います。