ディーゼル 噴射ポンプの故障

ディーゼルエンジンの点火方式は圧縮した空気に軽油を噴射し自然発火させるため、ガソリン車のような点火プラグを使った点火装置はありません。そのため、電気がなくてもエンジンを始動し続けることができます。

スターターモーターで始動後はディーゼルエンジンには電気の装置が必要ないため、電気系の故障はありませんでしたが、ディーゼルエンジンの排ガス規制が強化された後は燃料の噴射ポンプが電子制御になり電気的な故障が起きるようになりました。

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それらは、燃料系に取り付けられた各種のセンサーから噴射ポンプのコンピューターへ信号が送られ燃料を制御する構造になっています。そのため、噴射ポンプの故障に加えて、各センサーの故障に加えてコンピューターの故障が起きるようになりました。また、排気ガス規制以前の噴射ポンプの故障は走行距離に応じて起きていましたが、電子制御の噴射ポンプでは走行距離が少なくても噴射ポンプ自体にも故障が起きることもあります。

ディーゼルエンジンのエンジン不調などの故障は噴射ポンプの系統であることが多く、その修理費用は高額になります。センサー類の故障は数万円以内で終わることが多いのですが、コンピューターや噴射ポンプ自体の場合には十数万円から数十万円になることが多くなります。

ガソリンエンジンもキャブレターから燃料に圧力を加え噴射する電子制御(EFI、EGIなど)が普及した当初は電気的な故障も多くありましたが、現在では少なくなりました。今後は電子制御ディーゼル普及とともに電子制御噴射ポンプの故障も少なくなっていくのではと思います。

ディーゼルエンジンは軽油以外の燃料を使うことが出来、エンジン始動後には電気を必要としないためエンジンの故障が少なく、ガソリンエンジンより燃焼効率がよいため、燃費がガソリンエンジンと比較して30%程度良いなどの利点があり、船舶、大型トラック、戦車などの軍用に多く利用されてきました。

日本では黒鉛などの排気ガスに混じる有害物質の問題があり、排気ガス規制が強化された後の一時期にディーゼル乗用車の発売が中止されていた時期がありましたが、最近はクリーンディーゼルとしてディーゼル乗用車が復活してきて売れ行きも好調なようです。

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