中古車輸出 虚偽申告
中古車を輸出するには船積前に税関に輸出品を申告し輸出が許可された後に船積になりますが、税関への申告書類と輸出品が異なる場合には虚偽申告となります。
輸出の場合には輸入とは異なり虚偽申告をして消費税や関税を不正に低くするなどの不正をする場合の意味合いは異なります。
コンテナで自動車を輸出する場合では自動車以外の物も混載できるため、輸出が禁止されているものなどを不正に輸出するために虚偽申告をする場合はあるとは思いますが、自動車専用船(Ro-Ro)を使っての輸出では自動車の中に申告書には記載されてない物品を積み込んでの虚偽申告があります。
原則として自動車本体に含まれるのは車載工具やスペアタイヤまでとなるので、トランクや室内にスペアタイヤ一台分(タイヤ4本)を積み込んでいるケースがありますが、この場合には申告が必要です。その他に自動車と関係ないものが積まれているケースもありますが同様です。麻薬などは言うまでもありませんが....
実際にはオートオークションから輸出する中古車を直送するケースも多いので車内にタイヤが積まれたまま保税に搬入されるケースは多くあります。
乙仲(通関業者)によっては全て降ろしてから輸出するようにしているところもあれば、車両本体とは別のものを申告をせずにそのまま輸出している通関業者もあります。輸出自動車の税関検査もランダムに選び出しての税関検査となるため、税関検査に当たらなければ、虚偽申告とならずそのまま輸出されています。
また、船会社は車内への物品の積み込みを許可していない場合が多く、税関にも船会社への申告もせずそのまま車両本体とは関係ない物品が輸出されているケースもあります。この場合ではB/L(船荷証券)物品の記載がないため盗難があってもとしても船会社は責任をとってはくれません。実際には税関に申告してB/Lに記載したとしても船会社は責任を取ってはくれませんが...
コンテナの場合にはレントゲンなどで中身を検査していますが、自動車ではランダムでの抜き打ち検査になりため、虚偽申告とはならないケースがほとんどになりますが、発覚すれば虚偽申告になるのは間違いないことなので注意が必要です。
虚偽申告となれば乙仲、輸出者(shipper)双方が税関に呼び出され、厳重注意の上で始末書を書かされます。また虚偽申告は懲役何年以内、罰金数百万円以下とも告げられます。
虚偽申告も違法行為であり、そのため知らなかったでは済まないということになります。