自動車部品 コンテナ輸出

日本からは中古車の輸出と並行して自動車の中古部品も輸出されています。

中古車を輸出していると補修部品の問い合わせを受けることがあるのではないでしょうか。ほとんどの場合は個人が輸入をした自らの車の部品を単品で欲しいとなるのですが、エンジンやトランスミッションなどの重量がありかつ大きな部品を単品で輸出するには経費が掛かりすぎるため現実的ではありません。中には毎月、数台程度の中古車を輸入している小さな業者から輸入中古車の販売と並行して自動車の中古部品(新品も含めた)をコンテナで輸入し販売したいとの要望を受けることもあるようです。

中古車輸出は現地生産が進み輸入規制などで仕向け地が減少傾向にあり、特定の地域に中古車が集中して輸出される傾向があり、その結果価格競争が激化し販売価格が下がり続け、輸出輸入業者双方で利益が薄くなっている現実があるようです。それに対して補修部品は安定して需要がありますが、それを取り扱う業者は多くは無い状況のようであり、上手く輸出・輸入が出来れば安定して利益を上げることが出来るようです。

自動車中古部品の輸出を始めるには事前にいくつか確認しなければならないことあります。

1)現地で輸入業者が中古自動車部品の受け入れる体制はあるのか

中古自動車部品の関税はその種類ごとに個別に関税率が設定され高額税率になっている物や中には輸入が禁止されている物もあります。定期的に自動車中古部品を輸入している業者は全て知った上で輸入しているので問題はないのですが、これから自動車中古部品の輸入を始めようとする業者との取引であれば現地での輸入規制や関税率などを確認し、その業者が自動車中古部品を受け入れることが可能かどうかを確認する必要があります。せっかく輸出した中古自動車部品を現地輸入業者が通関を通すことが出来ず港に置き去りになってしまうような事になったら、その責任が日本の輸出業者に及ぶことにもなりかねません。

いくつか有った例としては中古車の輸入が禁止されていた時のミャンマーへ中古車をバラバラにしてコンテナに詰めて中古部品として輸出している業者がありました。上手く現地の税関をすり抜けていましたが何度も繰り返していれば当然税関の目に留る時が来ます。最後にこれらは自動車中古部とは認められないとして全て現地税関に没収されてしまいました。もしこの時に没収ではなく、不許可になったのであればコンテナを荷主(shipper)の責任で費用を負担し日本へ戻すしかありません。

その他、タンザニアへの自動車中古部品の輸出では高関税が設定されている物があり税関との交渉に1か月近く要してしまい、Daressalaam港のフリー期間である1週間を大きく上回ってしまいました。どこの港でも同じですがフリーの期間が過ぎると高額なstorage feeがかかります。因みにこの時の税関との交渉は交渉とは程遠く様々な場所をたらい回しされ、ほとんど嫌がらせ行為でした。更にはタンザニア税関から委託を受けた在日の法人からこの輸出品についての調査をするとの連絡まで来ました。全てが嫌がらせ行為でしかなく。結論としてはタンザニア向けの自動車中古部品の輸出入をするのであればその前に「タンザニア税関と人間関係を作ってからにしろ」ということでした。

2)輸出部品の種類と形体について

1、自動車中古部品の輸出には40ftコンテナが使われていますが何でも詰め込めるだけ詰め込めばいいというわけではありません。エンジンやトランスミッションのような重量物だけをいれれば重量制限を超えてしまいます。エンジンなどの重量物を主に詰めるのであれば個数を決めて詰め込み空いたスペースに他の軽量な部品を詰めることになります。

2、中古自動車部品を解体業者を回って買い集めるには多くの時間と労力を要することになり、人気のある中古自動車の部品単価が高く中古車単体で買った方が安い場合が多くあります。そのため、ハーフカットやノーズカットのような形体での中古自動車部品の輸出方法があります。

 

この方法ではエンジンやミッションのあるボディー前部をそのままコンテナに入れて後部からは必要な部品を外して空いたスペースに詰め込みます。

3)通関上の問題

1の場合は全てが部品単体になっているのでinvoiceやpacking listを正確に作成することは出来るのですが、2では部品単体に状態になっている物の他に鉄くずやゴミにしかならない物が多く混ざっている為にinvoiceやpacking listを正確に作成することは出来ません。これは虚偽申告として日本側の税関でも現地での税関でも問題になる可能性があります。これは税関がこれらの物をどう解釈するか(部品なのかゴミなのか等)に依ります。また、invoiceやpacking listとコンテナの中の物が異なるため税関検査の対象になる可能性もあり、もし税関検査になりコンテナの前部にある物を確認したいとなると全ての物をコンテナから出すことになります。コンテナの税関検査はコンテナヤードから税関の指定する場所に当該コンテナを持込み、そこで中の物を出すことになるため高額な経費がかかります。これらを手作業でコンテナから出すことは出来ないので税関の指定する場所を管理する業者へ頼むか、コンテナ詰めを依頼した業者に頼んで当該場所に来てもらいフォークリフトを借りて行うか、いずれにしても税関検査の後にもう一度コンテナ詰めしなければならないので高額費用が発生します。

この問題は「1)現地での受け入れ体制はあるのか」でも書きましたが、invoiceやpacking listの記載がコンテナの中身と異なっていることは明らかであり、言い換えれば虚偽申告であることが明らかであることに尽きます。通常、日本での輸出用のinvoiceと現地での輸入用のinvoiceは異なっています。これは日本では日本の税関向けに作成し、現地輸入国では現地税関向けに作成しているためです。といっても現地輸入用の通関invoiceも輸出する側が現地からの要望に合わせて作成します。ハーフカットやノーズカットでは全ての物品を全てinvoiceに書き出すのは不可能に近いので価格や個数などは「こんなもんでいいだろう」的な感覚で作成しているのが実情であり、簡単に言えばインチキですね。だから現地の通関では税関との人間関係を事前に築くことが重要なのかもしれません。日本では無理ですが....

最後に

コンテナを使った自動車中古部品に限らず中古品の輸出を巡る状況は変化し続けていて輸出がしずらくなる傾向にあります。輸出が出来ないものや輸出するには検査が必要になるものなど様々な規制があります。これは日本から産業廃棄物が中古品として輸出されていた過去がありそれが環境問題にもなり規制がかけられることにも繋がりました。仕向け地側でも同様な規制が新たにできているかもしれません。せっかく商談が成立しても規制に引っかかっては何もなりません。こういう取引をしたいのであれば双方の状況の変化を常に確認しておくことが必須となります。

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