自動車セルフスターターの始まり

初期の自動車は一部の金持ちが難しい運転技術を持つ運転手を雇い保有するような乗り物であったが、T型フォードが発売されると一般大衆化していった。

T型フォードは走るための必要最小限の装備であることとアッセンブリー・ラインという生産方式により生産コストと生産時間が大幅に下がり、販売価格が下がったことにより急速に普及していった。その結果としてT型フォードが販売拡大が自動車を一般大衆車化させた。

自動車が一般大衆化していく中でエンジンの始動方法には一つの大きな問題があった。セルモーター(セルフ・スターターモーター)が装備される以前のエンジンの始動にはクランクハンドルを直接手で回してエンジンを回転させ最初の点火をさせる方法で始動させていた。

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クランクハンドルで始動するT型フォード

クランクを回すには大きな力が必要になり、エンジンをうまく始動させることが出来ない場合にはクランクハンドルからの戻る力(回転方向とは逆方向の力)がはたらき、脱臼や骨折などのけがを負う事故が発生していた。またこれが原因で死亡事故となるケースまであった。

T型フォードが発売されて誰でも自動車を保有することにはなったが、誰でもがエンジンを始動させて運転できるものではなかった。特に始動のためクランクを手で回すことは女性にとっては困難であり、エンジンが始動している状態からの運転はT型フォードのマニュアルの沿えば誰でもできるかもしれないが、エンジンの始動は別問題となる。

セルモーターの開発は電気モーターを回してエンジンを始動させる方法が考案されていたが、エンジンの始動には大きな力を必要とする大型モーターと大容量のバッテリーが必要とされることからまだそれらの技術が未熟だった時代にはその開発は容易ではなかった。

また、圧縮空気によりモーターを回す方式も考案されていたが、エンジンを始動させるためだけに圧縮空気を生み出すコンプレッサーをエンジンで回し圧縮空気を溜めておくタンクが必要があることから実用化はされなかった。

1912年にレジスターのモーターが瞬間的に大きな力う生み出すことをヒントにチャールズ・F・ケタリングが最初のセルモーターを開発した。

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セルモーターが装備され、クランクハンドルの無いキャデラック

自動車が大衆化し始動を含めた運転が誰にでもできるようになった頃には空気入りタイヤが乗用車からトラックまで普及し、ヘッドランプは電気式になり、バートン方式によりガソリンの精製率が2倍になり、道路整備も飛躍的に進められたことにより自動車の時代が新たな時代へと進んでいくことになる。



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