スリランカの中古車輸入状況

スリランカは長く内線が続き2009年5月の内戦終結後はラージャパクサ大統領の時代が2015年1月に選挙でシリセーナに敗れるまで続いた。

中古車の輸入は内戦を期間も含めて長く続いているが、その関税は高く、またガソリン価格も高い状況になる。

内戦終結後は観光開発に力をいれているようで、スリランカ全土で観光開発が進められている。それにともなって一般道に高速道路を含めた交通インフラの整備が大々的に行われている。コロンボなどの都市部では立ち退きにより区画整理が進められ、両方通行だった道路が一歩通行の大きな道路に替えられるなどして都市部の交通渋滞を緩和する策が講じられている。

内戦時に出来なかった大規模なインフラの整備を内戦後に一気に進めようとしているため、自動車の輸入関税以外の税金も上がっている。都市部では日本から輸入されたプリウスなどの真新しい車が目立つが、地方では昭和40年代から50年代に日本で生産され輸入された自動車も見かける。また、庶民の一般的な交通手段の中心は今でも三輪車になる。

自動車の輸入関税が高いため現地の中古車の価格は古い車であっても高止まりしている状況にみえる。

内戦後にラージャパクサ政権が長く続いたことで、この間、政治腐敗が進みラージャパクサ大統領が国を私物化しているようなのもや公共事業の不透明な契約などが多くあった。2015年1月の政権交代後には、それらが汚職として捜査されている。また、不自然な契約形態のある公共事業はその契約の見直しを含めて止まっているものが多い。

中古車の輸入の状況は、急激な社会資本の整備を進めている状況の中では全てのものに高額な税金をかけられている状況があり、通常定められた輸入の法律に基づいて中古車を輸入しても販売価格が高額になるため、販売することは困難な状況にある。通常の中古車の輸入する方法とは別に特別な中古車輸入許可証での輸入方法があり、国内の会社に与えられている。これらは無制限に発行されているものではなく業種や使用目的などを考慮して与えているようだ。

中古車輸入許可証は中古車を販売する目的で与えられるものではないので、中古車販売行を行うのであれば通常の輸入方法で輸入することになる。とはいっても中古車輸入許可証え輸入した車も転売されているとは思うのだが......

スリランカは北海道を一回り小さくしたほどの国土しかなく人口は都市部に集中していることから、都市部では慢性的な交通渋滞になっており、自動車保有台数は都市部で多く、コロンボなどの都市部を見ると飽和状態にあるように見える。簡単にいえば売り手と買い手のバランスが崩れていて、買いたい客より売りたいくるま屋の方が多い状況に思える。

現地での販売価格は日本で取引される中古車よりも非常に高くなってはいるが、仕入れ価格に船積費用と現地の関税などを含めた経費がそのほとんどであることと、中古車の飽和状態を考えれば新規で参入しても利益を得ることは非常に難しいと思える。また、交通渋滞の緩和などを目的に関税で中古車の輸入をコントロールしているため、今後も関税の高止まりが続き、急に関税が跳ね上がって中古車の輸入がほとんど止まってしまう状況もあるので難しい仕向地ともいえると思う。

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