中古車輸出トラブル B/L搾取

中古車の販売には顧客との様々な問題がありますが、中古車の輸出では顧客とのトラブル以外にも様々なトラブルがあります。またインターネットを使った取引が多くを占めるようになったことで、インターネット特有のトラブルも発生するようになりました。

最近はウェブサイトを使い自社在庫の中古車を広告宣伝している取引が一般的になり。中古車の輸出でもこの方法が一般的になりました。取引が成立した後は代金の決済から船積まで顧客と連絡を電子メールでやりとりします。インターネットは世界中に普及していますが、中古車を主に受け入れている国々の中には日本のように企業から一般家庭まで普及はしていない国々が多くあります。

日本からメールでやり取りをしていると現地でも一般家庭までインターネットが普及しているように錯覚してしまいますが、実際にはインターネットカフェのような公衆回線を利用しメールのやりとりをしているケースが多いのが実情です。そのため、そのような場所でメールを利用するとIDやパスワードが盗み取られ、悪用されるケースがあります。

このようなケースでは中古車を購入して本人になりすまして、B/Lなどの船積書類を搾取されてしまうことがあります。

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実際のケースでは中古車の購入者本人が代金の振り込みまで行い、その決済がshipperに確認されて、船積が完了しB/Lコピーが購入者本人に送られます。

B/L上に問題がなければ、B/L原本と他の船積書類が購入者本人の所へ送られて取引が完了することになるのですが、船積が完了しB/Lコピーが送られてきたタイミングでIDやパスワードを盗み取った者からshipperへメールが送信されるようになります。内容としては船積書類の送り先を購入者本人の住所ではなく、他の場所に指定してきます。shipperはその指示に基づき書類を発送するため、実際にはIDやパスワードが盗み取った第三者へ船積書類を送ってしまいます。

インターネットカフェを主に利用している国々では個人的なメール以外に仕事のメールでもフリーメールを使いケースがほとんどなので、IDやパスワードを盗み取られた場合にはどこからでも簡単にウェブメールにログインされてしまいます。上記の例ではメールを盗み見されているため取引の流れを全て把握されていて、B/Lコピーが送られてきたタイミングで別の書類送付先が本人に成りすまして指示されています。

ウェブメールはインターネット環境があればどこからでも利用できる便利さはあるのですが、それを利用したパソコンにその記録が残ってしまう問題があります。またそのパソコンの記録から以外にもIDやパスワードを盗みとる方法はあります。また、フリーメールのウェブアドレスは誰でも知っているものでもあるため、IDやパスワードを盗み取られた場合には簡単にログインされてしまいます。

上記に書いた船積書類の搾取事件の例では、船積書類の発送後に購入者本人から何度も船積書類の最催促がきて、IDとパスワードを盗み取られたことに双方が気が付きました。船の到着前だったこともあり、船会社のこも旨を通知し1st B/Lでの貨物の引き上げを止めてもらい、同時に現地警察へ連絡をして貨物を揚げられない手配をした後に、2ndB/Lを購入者本人へ送付して、無事に本人が貨物を受け取ることが出来ました。

日本ではインターネットが一般家庭までおおく普及していますが、そうではない国々が多くあることを認識してないで仕事のメールのやり取りすると先方の状況により思わぬトラブルに巻き込まれる場合があります。

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